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政治・経済情報

ホンジュラス内政・外交月報 〈2010年2月〉  

Ⅰ.内政

(1)真相究明委員会の準備状況
 4日、真相究明委員会コーディネーターの職務にステイン元グアテマラ副大統領が就任した。17日、ステイン元副大統領はロボ大統領との会談(於 大統領府。カナワティ外相、カステジャーノス国立自治大学学長及びリコOAS政治問題局長が同席)において、真相究明委員会の参加者及び運営枠組に関する草案をロボ大統領に対し提出した。

(2)報道の自由の尊重
18日、ロボ大統領はチャプルテペック宣言(1994年に米州新聞協会主催の「表現の自由に関する米州会議」(於メキシコ)において54カ国代表により署名された宣言。報道の自由を尊重することコミットするもの)に署名した。式典において、ロボ大統領は、自らの任期中、人権及び報道・表現の自由を保障する旨述べた。
(参考:ロボ大統領は出身県であるオランチョにおいて、「ホ」国人権擁護委員会代表を務めた経験がある。)

(3)クエジャル監察総監の国軍参謀長就任
26日、ロボ大統領はバスケス国軍参謀長の後任として、クエジャル国軍監察総監を任命した(1日付で就任)。任期は本年12月まで(右期日を以てクエジャル氏が退役となるため)。本件人事をめぐっては、保守系メディアが「米国からバスケス参謀長を早期に更迭して現幹部以外の者を後任に付けるよう強い圧力があったが、ロボ大統領は現幹部の一人であるクエジャル総監を短期とはいえ任命して軍の人事秩序を辛うじて守った。」旨報じた。

Ⅱ.外交

(1)治安面における諸外国との連携
(ア)「メリダ・イニシアティブ」に関する議論
 2日、ロレンス駐「ホ」国米大使はアルバレス治安大臣と会談し、「メリダ・イニシアティブ」(米国・メキシコ・中米諸国間の治安対策(銃器密輸、麻薬密輸防止等)に関する協力枠組)を基軸とする治安面での二国間協力及び資金援助再開に関し議論した(カリドニオ治安副大臣及びロメロ・ルナ治安副大臣同席)。アルバレス大臣は、「この会談を以て両国間の協力が公式に再開される」と述べた。同イニシアティブにより、国際犯罪、薬物・武器密輸対策の強化、指紋認識システムの管理、マラス(青少年凶悪犯罪集団)及び誘拐対策等の強化,警察の犯罪予防力向上が期待される。
(イ)コロンビアとの治安面での連携
 15日、アルバレス治安大臣はボゴタを訪問し、ベルムデス・コロンビア外相との会談において、麻薬・誘拐・組織犯罪取り締まり強化を目的とした情報交換のための合意に署名した。右合意の目的は、治安維持及び組織犯罪対策に関するコロンビアの経験を共有すること及び「ホ」国・コロンビア間で麻薬密輸及び組織犯罪に関するインテリジェンス情報を交換することにある。
(ウ)18日、ルビ検事総長及びクレイグ・加ブリティッシュコロンビア司法教育協会代表は、カナダが「ホ」国検察官に対して、犯罪捜査能力の強化及び司法能力向上を目指す訓練を行う協定に署名した(2013年3月まで効力を持つ)。

(2)各国・国際社会との外交関係
(ア)3日、カナワティ外相は昨年6月以降本国に召還されていたルペレス駐「ホ」国スペイン大使、ドミナティ同フランス大使及びガロス同グアテマラ大使が「ホ」国に再度派遣された旨発表した。右を以て「ホ」国とこれら3カ国との外交関係が再開された。
(イ)米国
8日、大統領府はコミュニケを発表し、ロボ大統領がクリントン米国務長官と電話会談を行い、右会談においてクリントン国務長官が対ホンジュラス援助プログラム再開の用意がある旨述べたと公表した。
(ウ)スペイン
9日、ライグレシア西外務・協力省イベロアメリカ担当長官は、中米・EU連携協定交渉を推進するため、ホ国を訪問した。同日、ライグレシア長官は大統領府においてロボ大統領と会談し、今後の二国間関係及びEU・中米諸国間の関係について話し合った。ライグレシア長官は、テグシガルパ・サンホセ合意への署名及びセラヤ前大統領のドミニカ(共)渡航等を評価した上で、ホ国が新たな民主主義のスタートを切ったとし、二国間関係の強化及び中米・EU連携協定達成を前向きに捉えている旨明らかにした。また、ライグレシア長官は、5月19日開催予定のEU中米首脳協議(於マドリード)へロボ大統領及びカナワティ外相を公式に招待した。
(エ)世銀
12日、ダボーブ世銀専務理事はロボ大統領と会談し、ホ国政府に対し3億9千万ドルの融資を行う旨述べた(フリゲンティ世銀中米担当同席)。このうち2億7千万ドルは、新政府の優先事項である健康衛生、教育、治安面でのプロジェクトに使用され、1億2千万ドルは貧困層に対する社会支援に使用される予定。
(オ)15日、ロボ大統領は、「ホ」国に駐在するEU諸国の代表(ルペレス・スペイン大使、ゴールドステインEU代大使(中米担当)、ドミナティ・フランス大使、クリーク独大参事官、カルドゥラーニ伊大参事官、スウェーデン国際開発協力庁(ASDI)代表及びスペイン国際協力庁(AECID)代表)と会合を行い(於スペイン大使公邸)、EU諸国との外交及び経済関係再開を確認した(カナワティ外相ら同席)。EU諸国の代表によれば、テグシガルパ・サンホセ合意履行及び国内和解政府樹立に向けたロボ政権の動きに鑑み、「ホ」国・EU関係を正常化することとしたもの。
(カ)カナダ
18日、「ホ」国を訪問したケント・カナダ外相はロボ大統領と会談し、カナダと「ホ」国との関係正常化を伝えるとともに、今後ロボ政権を援助し、ホンジュラスが国際社会に復帰することを後押しする旨述べた。
(キ)ブラジル
  セラヤ前大統領を在「ホ」国ブラジル大使館が保護し、同大使館がOASの内政不干渉原則を侵したことを理由に、ミチェレティ前「暫定」大統領はブラジルに対し国際司法裁判所(ICJ)を通じて申し立てを行っていたが、18日、ロボ大統領はICJへの申し立てを取り下げた旨発表した。

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