第1回 トゥルヒージョ -Trujillo-

令和4年11月18日
トゥルヒージョ(Trujillo)はホンジュラス北部のカリブ海沿岸に位置するコロン県の中心都市で、人口は約6万7千人、とても美しい街です。
一説によると、コロンブスが初めてラテンアメリカで上陸したのがこの街。ホンジュラスの国名の語源については、1502年コロンブスが第4回目の航海でこの地に到達した時のエピソードに由来するとの説が有力です。これによると、コロンブスがホンジュラス北部の海上で悪天候のため航海困難に陥り、錨をおろす場所を何日も探しましたが、適した浅瀬が見つからず、東方へ移動していき、ようやく投錨ができたとのこと。その際に「神のお陰で深みから脱出できた」と叫んだとのエピソードに因んで、「深み」を表すHONDURASの名が付いたと言われています。
 
トゥルヒージョは、沖合に長く突き出した陸地が防波堤のような形になり、天然の良港カスティージャ港を形成しています。スペイン領になってからは、英仏の海賊等から領地を守るためにサンタバルバラ要塞をこの地に築きました。今ではグアテマラ国境近くにあるオモア要塞と並んで、ホンジュラスの観光名所の一つとなっています。実際に、この要塞跡地に立つと周辺の海を一望でき、カスティージャ港まで睨みをきかせるには最適の場所だと言うことが実感できます。
 

 
 


要塞の周辺は、歩いて10分以内の範囲に、昔の各国の領事館跡など綺麗な建物が点在し、お洒落なカフェなどもあって、とても良い雰囲気です。市庁舎の周辺も小綺麗な建物が並び、地元で採れた魚介類を提供するレストランも何軒も展開していて、活気があります。
 
 

 
トゥルヒージョの更なる魅力は、街を見下ろす形で山が迫っており、ここが国立公園になっていて、ハイキングでこの山に登るとカスティージャ港まで含めたトゥルヒージョの街全体を一望できる絶景を楽しむことができることです。
 
米国の有名な作家O・ヘンリーもトゥルヒージョに一時住んで小説を書いたそうです。
 
トゥルヒージョへのアクセスは、私はテグシガルパから陸路で往復し、片道約7時間ほどの長い道のりでしたが、この区間は牧草地の中を走るようなところが多く、景観に優れていると感じました。
 
 
 
中原 淳
 
 
 
〇領事・安全情報